2022年1月30日非認知能力その2 | みんなのお家

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2022.01.31更新子育てブログ
2022年1月30日非認知能力その2

「パパは脳研究者』池谷裕二著を読んで

 最近読んだ本です。ご本人が娘さんの子育てを通して、4歳までの成長を、脳の発達と機能から分析して、「子育てのコツ」として紹介しています。その中の一つ「昨日と今日では脳が違います」と言うのです。

 脳の神経細胞の数は「おギャー」と誕生した瞬間が一番多くて、あとは減っていくそうです。3歳までに約70%の神経細胞を排除して、残る神経細胞は30%。その後は変化しないのだそうです。ここの一説がとても興味深かったのでそのまま引用しますね。

「赤ちゃんは、どんな世界に生まれてくるか分かりません。産道を抜けるまでは、どんな環境で生きる事になるのかを、胎児の脳は知りようがありません。つまり、生まれた環境に順応していく為に、どの神経細胞が必要かは分かりません。だからでしょうか。無用なほど過剰な神経細胞を持って生まれてきます。そして3歳ごろまでに神経回路の基礎をつくり、必要ないものを捨ててしまうのでしょう。どの国に生まれても、脳が柔軟に対応できるのは、そうしたメカニズムをとって居るからです。毎日ビックリするような勢いで神経細胞を捨てている、単純計算で一日当たり5000万個以上の神経細胞が減って居る。昨日と今日の脳は随分と違う事になる。そう考える度“毎日を大切に接していかないと”との思いを新たにします」

 小学校に上がるまでに、親子が良く接するなど、丁寧に世話をされ、大切に育てられた幼児は、そうでない子に比べ、海馬(記憶の司令塔。高性能だが、ストレスなどでもダメージを与えてしまう、とても繊細で壊れやすい脳の気管)の回路が2倍以上よく発達し、思春期になった後も自分の感情をうまくコントロール出来るようになります。と言う参考文献も添えられています。脳科学者のパパの結論が素敵です。

 乳幼児期は、非認知能力を育む大事な時代だと言う事が、この脳の仕組みでも分かります。

 みんなのお家の子どもたちの様子からも、凄い力を身に着けていることが分かるエピソードがあります。

 3歳を超えた殆どのお子さんが、着脱を自分でするようになりました。お母さんが入れてくれた籠の中の服から、必要な物を取り出して、自分で身支度をします。ある日午睡の後に、この寒空に水遊びをして着替える事になったのですが、ズボンの着替えが無くなって居ました。「ズボンが無い」と言いに来たので、園の着替えを出してあげようとしましたが「アッこれでいいか」と、午前中に遊んで着替え、汚れ物籠に入れていたズボンが、それほど汚れてもいなかったからでしょう。機転を利かせて履いていました。

 親も、先生たちも、「こうあるべき」と子どもたちに見えない圧力をかけています。でも子どもたちは、「自分のやる事は、自分で決めさせて」といろいろな所で伝えているような気がしています。声はかけるけれど、行動するかしないかは本人次第。子育ては「待つ」しかないのです。

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