2022年7月12日「やっていいですか?」 | みんなのお家

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2022.07.13更新子育てブログ
2022年7月12日「やっていいですか?」

 時々声をかけて頂き、古巣の東所沢保育園にアートのお婆ちゃんで出前に行きます。この日は4歳児の子どもたちと「絵の具で遊ぼう」と出かけました。いつもいる人でないと言うだけで、最高の歓迎を受けます。

 この日は団扇(うちわ)を描画紙にして、制作です。絵具を使い始めてもう慣れたもの、沢山遊んでいるので、3原色で様々な色を作り、描き始めました。今回いつもとは違うトレーシングペーパーに描いて貰ったのですが、私とはもっと違うアートを期待していたようで、取り敢えずの様に描き終えた子が、「ゆきえさん、もう終わったから遊んでくるね」と一人、二人と居なくなります。これから団扇に取り組むのに、ちゃんと前置きしていたのに、面白くなければサッサと見切りをつけられます。「やるかやらないか」は本人次第ですから、「どうぞ」と送り出します。それでも、残った子どもたちと続けていると、「団扇ちょうだい」と一人、二人と戻ってきました。きっと作品を見せて回っている子が居たのでしょう。その後さっき描いた紙を切ったり、貼ったり、又描き足したりと、部屋のあちこちで、自由な制作が始まり、結局みんな戻 ってきました。

 一番驚いて、嬉しかったことは、そこには出していなかった「オイルパステル」を持って来て、絵具と合わせて使っている子が出てきたのです。指導者が指示していない事をやろうとする時、「○○ していいですか?」と多分どの子も聞くと思います。でも今日の子どもたちは、私の持参した物以上に、自分が持っているスキルをどんどん出して、制作を楽しんでいました。その集中力は昼食前まで続き、自慢の作品をみんなに見せて回って居ました。凄い子ども達です。そしてこの環境をつくっている先生たちが素晴らしいと思いました。お陰で私も「また来てね!」と最高の賛辞を頂いた1日になりました。

 子どもたちが豊かな遊びの中で体験して身に着けてきた力は、大人が指示したり、手を貸したりしなくても、ドンドン使います。それなのに指導と言う名のもとにやらされることには本当に自由がありません。みんなと違う事をしたら、いけないと教えられるわけですから。想像力も創造力も出せません。いちいち「やっていい?」とお伺いを立て、許可をもらわなければ何も出来ないような時間は、本当に面白くないでしょう。 子どもが生きる環境は大人が整える。でもそこで何をするのかは自分で決める。子ども時代はそんな自由が沢山あっても良いのではないかと、大人が作る枠からはみ出せなければ、新しい世界は生まれないでしょう。

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