子育てブログ
2024.01.08更新子育てブログ
2024年1月5日伝承遊び
あけましておめでとうございます
今年も小手指操車場に輝く朝日を見ることが出来て、良い年のスタートが切れたと思って居ましたが、元旦早々大きな災害が起き、胸がざわざわしています。いろいろな思いが、まとまらなくなり、動き出せるか不安です。 被災地に向けて力になれる事が有るか、まだ分かりませんが、今年もみんなのお家の活動が続く様にと願っています。辰年は新しい事にチャレンジすると良い年だと言いますが、当たり前に過ごす日常を大切にすることが 何よりの事だと実感します。ここに集う一人一人の持って居る様々な小さな力がきっとエネルギーとなり、たくさんの人たちの笑顔が溢れ、広がっていく事を願います。
行動指針は、子どもだけでなく大人にとっても、一人の「困った」を見逃さず、向き合い、行動する事で豊かな居場所が作られると信じています。今年も宜しくお願い致します。
伝承遊び
年末に楽しく過ごしたクリスマス会で、子どもたちが遊んで見せた「トロルの鬼ごっこ」は、私が子どもの頃に地域の子どもたちと沢山遊んだ「あぶくたった」の遊びの変形ですね。鬼ごっこが原型にある遊びはいろいろあって、遊びのおもしろさは会話にあります。いつお化けやトロルが出てくるのか、全て鬼に任されているので、緊張とスリル満点です。劇ごっこの様な要素も含まれているので、尚更楽しくなります。
同じような遊びで「ことしのボタン」と言う遊びは、もう若い保育士さんでも知らない遊びになってしまいました。伝承されて行かない訳は、地域に縦の繋がりの遊び集団が無くなったことが挙げられます。そもそも家の前の道路で子どもが遊んでいる姿は見かけません。保育園でやっても、異年齢集団が日常に無いので、年長児が小さい子どもたちに教えながら遊ぶ姿はありません。遊んでいた年長さんが卒園してしまい他の先生が遊ばなければ、消えていきます。小学校でも一時ゆとりの時間とか、生活科の中で、独楽回しや、竹馬、凧あげ、お手玉などと言う遊びを「昔遊び」として取り組むこともありましたが、それが伝承されて長く遊び継がれる事はありませんでした。
お正月に手にした小川清実著「子どもに伝えたい伝承遊び」と言う本に、”本来の「遊び」は、大人から強制されるものではなく、子ども自身が本当にやりたくて始めるものだし、その遊びは純粋に遊ぶこと自体が目的でなければならないし、たとえ苦しさや緊張があったとしても、最終的には楽しさ、喜びの感情を伴う活動でなければならない”と定義していました。鬼ごっこで走るのは、早く走る為の練習ではありませんし、独楽や竹馬、おはじき、お手玉など、直ぐには出来ないような高度な技術を習得するため努力するのは将来自分の為になるかどうかなんて関係ない訳で、見ているだけでなく、子どもたちが実際にやって遊びながら伝えられていくもので、「伝承遊び」にはこの条件をすべて満たすことが出来るものだと、その魅力を伝えている本でした。私は運動音痴で、学校の体育は大嫌いだったのですが、石けり・馬跳び、かくれんぼ、缶蹴り、ゴム飛び、まりつき、縄跳び、学校が終わって夕暮れまで遊んだ「伝承遊び」と仲間たちのお陰で、一通りの運動能力はついたと思います。その時代には勿論運動能力を鍛えるつもりも無いですし、将来を見据えて遊んでいた訳ではありません。でもその後保育士になった事で、この経験は大いに役に立っています。今子どもたちは、小さい内から、体操教室や、スポーツクラブなどに通い始めます。日々の遊びが体を作り、心を育てている様には感じられない親たちの不安がそうさせるのでしょう。子どもたちが本当に「あそんで楽しかった!」と思える時間がどれだけあるのか、今の時代背景を考えると心配になります。「遊びとは・・・」を忘れずに子どもと居る時間を過ごしたいと、思いを新たに2024年をスタートします。